皮膚病は皮膚病だけではない!

暑さが一層厳しくなってまいりましたがいかがお過ごしでしょうか?この時期になると毎年のことですが皮膚病の診察が増えてきます。

ひとえに皮膚病といえども予防内容、内臓の状態(心臓、肝臓、腎臓などの評価など)など様々なことを考慮しながら診察をしなければなりません。当院では皮膚病の診察で血液検査を行うことはしょっちゅうです。

当院では当院かかりつけの方(予防・他の病気の治療をすべてこちらで行われている患者さん)は当然皮膚病の診察も行っておりますがそれ以外の方は主治医(かかりつけの先生)からの直接紹介しか受けておりません。いろいろな理由があります。

 

予防歴、既往歴、治療に対する反応を正確に把握しないときちんとした診察はできないのです。

たまに飼い主さんが主治医で飲んでる薬はわかるので診てもらえないですか?といわれることがありますが、どういう症状でどの薬をどのくらいの用量で飲んで反応がどの程度あったかは診療した獣医さんでないと正確にわかりませんのでお断りさせていただいております。またほかの病気があった場合は内服薬の飲み合わせなども問題になります。

 

②かかりつけがないので皮膚病だけ診てほしいと言われる方がおりますが、当院では正確な診断のためおそらく他院よりも検査を多くしておりますし、当然費用も高いと思いますが、今後かかりつけを当院にする場合(予防やほかの病気の治療を当院ですべて行われる場合)は完全転院で予約受診が可能です。予防はしたくないが皮膚病は診てほしいという方もたまにいますが基本予防をすることがまずは皮膚病治療の一歩なので除外診断ができなくなるため当院ではなかなか治療が厳しいかと思います。

 

③かかりつけで皮膚病は診てもらったことがないですが皮膚病を当院で診てほしいと言われる方がおりますがこの場合もお断りさせていただいてます。まずは主治医に見せるべきです。検査をほとんどせずにただ薬を処方するという治療は当院では行ってないので難治性ではなく皮膚病の初発などの場合は特に主治医に診せた方がよいのです。

動物病院の主治医というのは非常に重要です。人と違いある程度すべて(内科、外科、皮膚科、循環器科、腫瘍科など)を診察しなくてはなりません。全部完璧に診れる人などいないと思います。だから限られた時間で的確な診察を丁寧に素早くすることが大切だと思います。

 

飼い主さんが動物病院を選ぶ基準はいろいろあります。

①安さ ②先生の雰囲気 ③診察の質など

私は③が動物にとっては最も大事だと思います。

私が飼い主だったらこう思います。皮膚をかゆがってます、と病院に行ったら皮膚以外にも簡単に眼・口などもみてもらったり、心臓の音も聞いてもらい、リンパの触診などもしてもらいたいと。

誰もが目に見える皮膚病が気になるのは当然のことです。ただ実はそれは内臓の病気だったということは多々あります。

ご紹介症例でも皮膚病ではなく実は内臓の病気だったということもよくあります。